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俳子の「守破離」俳句 |
| 寧 楽 (三十句) nara |
| さ よ ふ 小夜更くる 空のまほろば 天の川 |
| 星月夜 闇深ければ 深きほど |
| 流星や いにしへ人を 恋ふことも |
| 百草に 千万の露 宿りけり |
| 草あれば 草のかたちに 霜の花 |
| か ぐ うねび みみなし 香具晴れて 畝傍耳成 初時雨 |
| 一陣の風 全山の 木の葉雨 |
| 空ゆくも 土にかへるも 落葉焚 |
| ゆく人の 背を追うやうに 時雨けり |
| 風花や 西行庵に 主なく |
| 寒月や 空に影立つ 塔ひとつ |
| 神将の 十二方より 底冷ゆる |
| ゆきもよひ うんすゐ 雪催 雲水も歩を 速めたる |
| ふゆともし えにし 冬灯 身を寄せあふも 縁なる |
| 含笑の 百済仏や 春隣 |
| 春浅し 薄日もささぬ 初瀬川 |
| 古都遥か 下萌淡き 三笠山 |
| 水煙の 奏楽飛天 風光る |
| 春の塵 海山越えて 弥陀の掌に |
| 十一面 千手観音 春の闇 |
| 春の雷 天地まぐはふ 如くして |
| はなばんだ み吉野の 奥千本の 花万朶 |
| 飛花落花 西行庵は 戸をもたず |
| ひとひらの花屑 旅の鞄より |
| な
ら や ま 寧楽山に 旅路の果ての 遠霞 |
| 神木の 千古を生きし 芽立かな |
| ひこばえ 蘖や 起状の多き 山辺径 |
|
し び 青踏まな 天平の鴟尾 見ゆるまで |
| あおあらし 青嵐 寧楽に寺あり 仏あり |
| 万緑や 万象ここに 定まりて |
| (原句にはルビはふられていません) |