| 死 夢 (二十句) * |
| 大仏の 面輪やさしき 冬日向 |
| 冬木立 光輝は枝を 揺らさざる |
| 梅咲きて 老いが命を 惜しみけり |
| 待ちわびて 花はまだかと 訪ね来し |
| 艱難も 辛苦もありて 花の道 |
| 酔ふほどの 酒はなけれど 宵桜 |
| さくらさくら さくらのはなの ちりぬるを |
| 芳しや 崩れかけたる 花薔薇 |
| 沙羅散りて 一弦琴の 響きけり |
| 閑さや 闇夜にしづむ 合歓の花 |
| 夢追ふも 旅に死するも 合歓の花 |
| 初蝉の 羽透き通る 朝かな |
| 夕蝉や 丹生の無動寺 不動尊 |
| 落蝉の 亡骸軽ろし 夕山河 |
| 穢土暮れて 浄土輝く 夕焼かな |
| 花芒 善福寺への 細き道 |
| 残る虫 雨降る闇に 鳴きにけり |
| 我もまた 土に還える身 落葉踏む |
| 鉢植の 向きかへなほす 小春かな |
| こがね 日に黄金 月に銀白 枯尾花 |
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