木   霊  (ニ十句)               *
                     
    
         
      六甲の 樹木億兆 木の芽時
   
    
      若葉して 神しろしめす 山となる
                   
      億万本 億兆葉の みどりかな
   
      六甲の 山険(やまさか)一気 青嵐 
      
      青梅雨や 葉先こぼるる 雨雫
      
      シチダンカ 花に宿りし 星の精
    
      水精は 塵を受けずや 滴れる
     
      六甲の 山襞深く 滴れる
   
      目瞑れば トトロ出で来る みどりの夜
   
      山里の 雨降りやめば 蝉時雨 
                  
  
      六甲の 黒き山塊 月青し
   
      葉上の 秋光白き 山となる
    
      わけ入りて いづこともなき 秋の暮
   
      木の葉散る かそけき音を 聴きにけり
    
      手にとりて 捨つるに惜しき 紅葉かな
    
      
      走り根の 隠れて深き 落葉かな
     
      冬木立 日は輝きを 失はず
     
      耐えて待ち 待ちて膨るる 冬芽かな
  
   
      春霞 六ツ連山は 海に沿ひ
   
      一山も 鳴動するや 木の芽風

    俳子の守破離俳句
       

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