冬 木
 
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     2021年 新年・冬 ( 9 )   *  
 321  冬木の芽 風切るさまに 尖りゐて
 322  毛羽立ちの 芽鱗分厚き 冬木の芽
 323  少年の ピアスの穴へ 隙間風
 324  十八の 心の洞へ 隙間風
 325  ひとつ家に 心がふたつ 隙間風
 326  隙間風 大人はいつも 間違へる
 327  隙間風 多重防御の 発電所
 328  隙間風 すきまに生くる 人たちに
 329  四畳半 貧乏神の 隙間風
 330  古く良き 妻の口より 隙間風
 331  老生の 命の端を 隙間風
 332  痩骨を すり抜けてゆく 隙間風
 333   バーコード 読めざる冬や 徘徊す
 334  瑠璃窓に 張りつき合うて 雪の花
 335  降る雪や 大仏さまの 我慢顔
 336  雪降るや 戯れに着る 死衣装
 337  山里の 音を忘れて 雪積むる
 338  雪二寸 踏み入る音の 軽やかに 俳子庵
 339  影あをく 光こんじき 雪の朝 北海道・十勝
 340  雪原の 白が閉じこむ 無音界
 341  逢ふために 大雪原を 漕ぎて来る
 342  海よりも 山の明るき 雪景色 須磨浦公園
 343  雪ばんば 泣く子はゐるか はよ寝たか
 344  降る雪や 白きをみなを 連れてくる
 345  雪降れば 狐狸が里曲に 下りてくる
 346  騙し絵を 抜けて狸の ぽんぽこぽん
 347  雪積むをこばみて 有馬七泉源
 348  枝齧る 切歯鋭き 雪兎 (動物)
 349  耳さとく 跳び脚速し 雪兎
 350  止め足や 逃げ足速き 雪兎
 351  空想の 罠かけて待つ 雪兎
 352  いささかの 蓄へありて 栗鼠の冬
 353  雪兎 とけて赤き実 青き二葉 (雪の造形)
 354  雪達磨 夜には影の 多き貌
 355  影をひく 気配すらなし 雪女郎
 356  口紅を とればむらさき 雪女
 357  紫の くちびる裂けて 雪女郎
 358  雪を着て 妖怪めきし 庭が松
 359  雪文字や 指の震えを そのままに
 360  地吹雪が 奪ふ視界や 闇白し

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