カタツムリ
 
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       2021年 夏 ( 12 )   *
 441  ずぶ濡れに なりて歓声 雨蛙
 442  森に棲む ものらが気息 遠河鹿
 443  杣谷は 風伏すところ 河鹿鳴く
 444  右は三木 左は須磨や かたつぶり 藍那・長屋門
 445  大陸を 漫遊中の 蝸牛
 446  夢見るは 地球一周 かたつむり
 447  でで虫や ここはまだ富士 三合目
 448  動きても 動かざるかに 蝸牛
 449  木の枝を 逆さ伝ひの 蝸牛
 450  角ふりの でで虫しばし 立ち往生
 451  でで虫の 糞をたるるは 殻が中
 452  万歯もつ 妖怪獣や かたつぶり
 453  でで虫や 尖りて硬き 万歯もち
 454  でで虫の 腹足伸びて 砥粉色
 455  海鳴りの わが耳奥の かたつぶり
 456  まひまひの 僅かばかりの 後じさり
 457  蜘蛛の囲に かかりて太る 雨雫
 458  悪なすび 大悪人の 相なさず
 459  青苔や 湿りて暗き 谷底に
 460  著名なる 異人が墓や 苔青し
 461  苔茂る 裏六甲の そこここに
 462  青苔や 雨降り出せば 葉を広げ
 463  実梅落つ 黄ばみてまろき 尻見せて
 464  曲家の 馬糞の臭ふ 梅雨初め
 465  五月雨や 雨垂れの音に せかされて
 466  五月雨や 石に崩れつ 水激つ
 467  さみだれて 渡るもこはき 沈下橋
 468  梅雨寒の 川に呑まるる 朽ち木かな
 469  水の上 越えて水行く 梅雨の川
 470  梅雨晴れに 曝すターヘル アナトミア
 471  梅雨の夜の 青きスパーク 都電過ぐ
      芥川龍之介の顔写真を見て
 472  一日の 薬十錠 梅雨湿る
 473  焦げ臭き 竪穴住居 梅雨湿る 大歳山遺跡公園
 474  梅雨湿る 空気すらもが 腐るがに
 475  梅雨本番 園児が傘の 赤黄青
 476  真直ぐには させず二歳の 梅雨の傘
 477  バス停に 重なりあふて 梅雨の傘
 478  梅雨半ば 雨は真すぐに 庭を打ち
 479  寝ねて雨 覚めてまた雨 梅雨半ば
 480  雨音を 聞くに疲れて 梅雨半ば

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