藍 染
 
     
     アベリア
 
    
   カヤツリグサ
 
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       2021年 夏 ( 32 )   *  
 1241  夏の夜に どんでん返し ミステリー
 1242  夏の夜に 悪党どもが 高いびき
 1243  青蚊帳の 底は暗しよ 鮫泳ぐ
 1244  青鮫や 蚊帳の底ひに 身を潜め
 1245  蚊遣して住めば都や草の庵
 1246  かき混ぜて 藍染鍋の 花赤む
 1247  藍染めむ 思ひの色の 出づるまで
 1248  選ばれぬ ものらが裏宮 花烏瓜
 1249  花烏瓜 飛びくる夜峨に 網をかけ
 1250  夏空を 欲りて伸びゆく 蔓が先
 1251  葉取りして 夕日のあたる 青林檎
 1252  青林檎 胸はり裂くる ほどの飢餓
 1253  歯茎より 滲む血の跡 青りんご
 1254  目つむりて 机上にひとつ 青林檎
 1255  小さくも 葉陰に静か 青胡桃
 1256  メロン食ふ 口動かすも 淑やかに
 1257  アベリアの 花の小さき 匂ひ壺
 1258  アベリアや 釣鐘花に 蜜ためて
 1259  虫つどふ アベリアの香に 誘はれて
 1260  アベリアや 娘おめかし 街に出る
 1261  舞姫や サルビアよりも 濃く炎えて
 1262  サルビアを抛りて 熱き息もらす
 1263  サルビアや 危ふきことを 囁きて
 1264  サルビアや 踏みしだかれて 朱に死する
 1265  渡し場に ポンポンダリアが 花盛り
 1266  月見草 咲きても暗き 夜野面
 1267  君が手で 眠らせたまへ 含羞草
 1268  花つけて お辞儀もうまき 眠草
 1269  恥ぢらひて 葉を畳むるか 含羞草
 1270  夕顔や 源氏の世にも ひそと咲き
 1271  夕顔の 闇にまぎれて 消えゆける
 1272  草の戸や 蚊帳吊草の さりげなく
 1273  雑草の雄や 蚊帳吊草茂る
 1274  庭手入れ 蚊帳吊草を まず引きて
 1275  爆発だ かやつり草を 掲げ持つ
 1276  蚊帳吊草 裂きて少年 涙せず
 1277  千日紅 移ろひやすき 心もち
 1278  いざ行かむ 憂曇華の咲く 仙境へ
 1279  胸襟を開かば 薄翅蜉蝣舞ふ
 1280  薄翅かげろふ 飛べば空気が 薄くなる

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