烏  瓜
 
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       2021年 秋 ( 20 )   *  
 761  秋落暉 けふもあらかた 過去となり
 762  秋落暉 海にて終る 坂の道
 763  谷筋は 陰りやすしよ 秋日墜つ
 764  閉店の お知らせ通知 秋日落つ
 765  須磨の辺の 知る辺をたよる 秋の暮
 766  秋深し 我もひとりの 異邦人
 767  つまらなき 世とは思はじ 秋深し
 768  秋深し 闇がなければ 星もなく
 769  セミダブル ベッドの余白 夜寒し
 770  短調の 楽が身にしむ ひとり闇
 771  身にしむや 吾子の呼び名を 取り違へ
 772  秋冷や 播磨の灘に 波立たず
 773  秋冷や 還りこぬ子を 待つひとに
 774  うそ寒や 嘘つきピョンタ しゃしゃり出て
 775  うそ寒の 闇を背負ひて 父帰る
 776  外に出れば 八人の敵 秋小寒
     七人の敵ではなくて、八人の敵なのは、
     不本意なことをしてしまうかも知れない己という、
     もうひとりの敵がいるから…。
 777  勝ち鬨の 聞こゆる浜辺 そぞろ寒  源平史跡 戦の浜碑
     勝者がいれば、その陰には必ず敗者がいて…、
     敗者の末を思うと、おのずと…
 778  秋寂ぶや 声なき骨の 眠る墓
 779  捨て猫の いぢけ眼や 秋寂ぶる 烏原貯水池
 780  秋蔭や 命のあかり 灯す夜に
 781  秋あわれ 蝋人形に 心なく
 782  病む秋や 水の臭ひが 鼻につき
 783  雨冷や 黙して人は 先急ぐ
 784  携帯に 着信なきも 秋の暮
 785  秋冷の 星まで届け わが鼓動
 786  新蕎麦ぞ ひときは高き 音立てよ
 787  味やよし 香りなほよき 新走り
 788  酔ひ静か ひとり呑み干す 今年酒
 789  頼みたし 寝酒なき夜の ましら酒
 790  顔白き ままとはいかず ましら酒
 791  一献で 赤らむ顔や ましら酒
 792  六甲の 山猿俳子 ましら酒
 793  子が泣きて 妻が愚痴こく 夜寒かな
 794  旨さうに まーるく熟れて 烏瓜
 795  色よきも 見向きもされず 烏瓜
 796  日にむくみ 月に萎るる 烏瓜
 797  烏瓜 瓜実顔の ひと憎し
 798  真葛原 風雨に耐へし 蔓の密
 799  ひたすらのうるさきほどの葛の蔓
 780  葛生えて 畑は野となり 山となる

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