2022年 新年・冬 ( 1 ) * |
ありがたや 今年も拝す 初明り |
天に摩す 摩耶が秀峰 初あかね |
初あかね 吾に静かなる 力満つ |
浪速まで 初六甲の 長々と |
見古りたる 町の路地裏 初景色 |
初富士や スカイツリーの 遠めがね |
初富士を 右に左に 新幹線 |
あらたまの 年こそよけれ 老いてなほ |
ひととせの はじめのはじめ 恙なく |
灘が地に 猛虎伏草 明の春 |
老の春 幼きころに どこか似て |
老の春 さびしき自由 もて余す |
ゆづりはや 遺す財なく 家訓なく |
棺桶に片足 初湯あふれるしむ |
ぐだぐだの年 ぐだぐだの寝正月 |
手毬つく 良寛さまと 遊ぶ夢 |
初夢の 七八なくて 九龍頭 初夢は、一富士・二鷹・三茄子・四扇・五煙草・六座頭 |
初夢の 佳境に入らば 朝の声 |
片ゑくぼ できてはにかむ 春着の子 |
初春や 三社詣での 切符買ふ |
初詣 平均律の 段のぼり |
偕老の 続くを願ふ 初詣 |
わが君の 福は袋に 入るらし |
めでたさを繋ぎて 屠蘇は老が手に |
めでたしよ 齢九十 ちゃんちゃんこ |
百獣の 長なる獅子の 舞なるぞ |
鶴一声 地を震はせて 天空へ |
天に鳴く鶴に 地の鶴応えけり |
新春や 象が幾度も お辞儀して |
新春や 髪を乱して バーゲンへ |
注連飾る 古里の仏蘭西 料理店 |
初旅にして 冥土への仕舞旅 |
須磨浦の 初松籟の 音暗し |
諸人を 乗するに小さし 宝船 |
初笑 あの世の人も 加はりて |
季語三つ 並べて老が 初笑 |
絵双六 前へ進みて ふりだしへ |
初トランプ ハートのエースが 手の内に |
はじかれて また手にかへる 手毬かな |
初湯して 愚者には愚者の 臍の垢 |
初湯より出づや 紅顔老童子 |
初日記 始めなければ 進めざる |
書初や 筆に切っ先 あるがごと |
書初や 命毛の癖 気にもせず |
書初や 芳墨芳紙 惜しみなく |
初糶や 手が物言ひて 魚高値 |
初売や 買へば買ふほど 気の晴れて |
初寄席や 老い皺に足す 笑ひ皺 |
老い,てなほ 恋の歌詠む 初句会 |
右脳派に 左脳派挑む 初句会 |
身も口も 心も密に 初句会 密教では「身密・口密・意密」の三つを合わせて三密というらしい。 |
季語ふたつ とんだ恥かく 初句会 |
初弓や 的射ることを あやまたず |
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