2022年 春 ( 3 ) * |
目を閉じて 天の沙汰待つ 受験の子 |
啓蟄の 闇より出でよ 恋の虫 |
春津波 逃げざる山へ てんでんこ |
春怒涛 岩にとりつく 波がしら |
空海忌 山より高き 雲ひとつ |
空海忌 こころの澄めば 書も澄みて |
悟りとは 無縁の日々や 空海忌 |
願はくは 春に漂ふ 雲に乗り |
卒業す あの娘はとらぬ 胸ボタン |
校庭へ 深く一礼 卒業す |
制服を 脱ぎて晴れやか 春動く |
実行キー 押せば完了 卒業す |
将来を 立つる人たれ 卒業す |
疾走す卒業といふ 通過点 |
コロナ禍や 十五の春を 愉しめず |
遍路ゆく 過去の自分を 捨てながら |
風船や 夢売り人が 笑ひ来る |
風船に 息の限りを 入れにけり |
父の息 こめし風船 子に渡す |
風船や 去りゆくものは 帰り来ず |
集めたし 吾子浮くほどの 風船を |
紙風船 へこむがままに 宙に浮き |
春天を 音なくゆるり 飛行船 |
海よりの 風を掴みて 喧嘩凧 |
シャボン玉ゆがみて 恋の夢爆ずる |
臨界を 超えて弾けり シャボン玉 |
海を向く 透かし窓より 春の風 |
大仏の 尊顔よりかや 春の風 |
靡くもの つき従へて 春の風 |
春雨や をみなも濡れて 行きたがる |
堰堤の 境なきかに 春の水 |
春水に 沿ふ谷道を 二十渉 トエンティクロス |
促音撥音拗音 春の川 |
吾子の春 ペンギンさんが よちよちと 神戸どうぶつ王国 |
六甲の 風がみがきし 辛夷の芽 |
真っ白な 辛夷開けば 空青し |
眠たしや 出窓がそばに 花辛夷 |
早咲きの 綻び著き 幣辛夷 |
咲き倦みて 空まで汚す 幣辛夷 |
日のあたる 川の斜面や 花片栗 |
かたくりや 色手放して 夜眠る |
踏みさうに なりても踏まず 犬ふぐり |
踏まれても 色失はず 犬ふぐり |
小にして 青を尽くせり 犬ふぐり |
犬ふぐり 天日ひろく ゆきわたり |
淋しくば 君に捧げむ 犬ふぐり |
夕づつや 白木蓮の 暮れ残る |
木蓮の 花芯に宿る 菩提心 |
重き朝 ミモザの風の 騒めきて |
どの花も はじめての花 初蝶来 |
光より 生まれて蝶は 空に舞ふ |
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