2022年 夏 ( 3 ) * |
緋牡丹や 色をほどきて 香を放つ |
仮の世の 色にしあれど 緋の牡丹 |
緋牡丹や 博徒のやうに 風を切り 藤純子主演『緋牡丹博徒』 |
緋牡丹は 花襞よりも 金の芯 |
仁義なき 博徒の背にも 緋の牡丹 |
黒み帯ぶ 紅の色して 黒牡丹 |
黒牡丹 黄色どぎつき 花芯もち |
紛乱の 色を排せり 白牡丹 |
慈悲に色 あれば即ち 白牡丹 |
日に揺れて 月に鎮むる 白牡丹 |
月光に 神々しくも 白牡丹 |
神苑に 神慮に叶ふ 白牡丹 |
ふりそそぐ 日にぞたゆたふ 白牡丹 |
白牡丹 いのち燃やすも 静かなる |
百咲いて 牡丹の白の ゆるぎなし |
一花にて 牡丹長者の 誉れあり |
一重八重 千重が大輪 ぼたん園 明石・薬師院 |
ぼうたんの 花影ゆたかに 薬師院 |
ぼうたんに 人は寄りても 蝶寄らず |
ぼうたんや 襞の深きに 虫宿す |
恍惚と 牡丹の芯に 虫ひとつ |
富貴草ゆるれば 胡蝶みだれ舞ふ 葛飾北斎『牡丹に蝶』 |
早逝の 君を思へば 深見草 |
緋牡丹や おのが重さに うなだれて |
ぼうたんの 首は細しよ 剪れば鳴る |
牡丹剪る すがるる姿 見るよりは |
牡丹剪る 色香失ふ その前に |
人の世の 栄華盛衰 ぼたんにも |
牡丹より 離れがたきを 知る夕べ |
ぼうたんの 白きが溶くる 夕かげり |
ぼうたんの 崩れむとして 闇が中 |
崩るるや 牡丹色香を 尽くすとき |
ひとひらの 欠けて牡丹の 総崩れ |
崩るるも 花王が定め 大牡丹 |
ぼうたんの崩れて 庭の暮色急 |
気高きは 崩れやすしよ 牡丹散る |
牡丹散る 心乱るる 刹那にも |
散華せし牡丹や 金の蕊残す |
燕まだ 雛を離さず 餌を与へ |
夏天へと 神の翼を 得しごとく 神戸まつり |
夏空へ 愛のかたちに 羽開く |
夏天へと サンバ娘の 欲るがまま |
天空の サンバ娘や 風涼し |
母の日や どんなときでも 許さるる |
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