ミノムシ
 
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      2022年 秋 ( 10 )   *  
 361  木の実降る 背山が森の 明るさへ
 362  里山の森に どんぐり時雨かな
 363  どんぐりも お菓子も分けて 半分こ
 364  好きな子に まんまるまるの どんぐりを
 365  膝ついて 渡すどんぐり 孫は姫
 366  毬栗や ここは譲れぬ 恋の道
 367  忙しなく 飛びて休まず 小灰蝶
 368  凪待ちの舟 風待ちの秋の蝶 アサギマダラ
 369  蓑虫の 糸一本の 宙酔遊
 370  蓑虫の 枝端たばねし 破れ蓑
 371  ぼろ蓑を まとひて鳴くか 小蓑虫
 372  蓑虫の 蓑笠自慢 雨しとど
 373  木に依るや 鬼の捨て子の 衣食住
 374  鬼の子も 季節の神に 従へり
 375  蓑虫の 空飛ぶ夢の 叶ふ朝
 376  蟷螂の 虫喰ふときの はづれ顎
 377  聖徒とは 俺のことかと 祈り虫
 378  蚯蚓鳴く 醜きゆゑに 愛されず
 379  痩せ蚯蚓 鳴くに疲れて 虫の息
 380  寒露の夜 風に重さの あるを知る
 381  露の世や 今宵も仮面 舞踏会
 382  サルトルの 半眼で見る 露の夜
 383  露光る ボーボワールの 朝日影
 384  手つかずの 月の雫が 露になる
 385  露の墓 きみが隠せし 目のしづく
 386  露の世の 来世に遺す 粒ひとつ
 387  一粒の 露に過ぎざる 水の星
 388  露こぼす 水の星より 無辺へと
 389  風白し 露の世いまだ 見尽くせず
 390  山を出て 空を転がる 霧の粒
 391  乳色の 霧が霧押す 地蔵谷
 392  霧流る 天狗の口を 出でしより
 393  幾曲り すれば峠や 霧深し
 394  行くほどに 濃くなる霧を 峠越
 395  霧しぐれ 服の濡るるを 拒めざる
 396  霧の夜や 見えず聞こえず 言葉なく
 397  霧の声 君の背中に 届くまで
 398  ほどけゆく 霧の中より 山男
 399  行き暮れて 大樹の傘に 露しのぐ
 400  白露は 月の泪か 夜にこぼる

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