裸 木
 
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     2022年 冬 ( 3 )   *  
 巻き癖の 髪余らせて 冬帽子
 ナフタリン匂ひて 祖父の冬帽子
 冬の日の ひとりの時の 古時計
 はよ行かな 冬の日差しの あるうちに
 暮早し 夕づつ出づる ビル谷間
 短日の 近道なぜか 回り道
 物好きの 時間貧乏 日短
 字足らずの 難句がひとつ 日短
 短日に 静かに狂ふ 古時計
 山眠る 森の深きに 木も眠り
 山眠る中や 木を伐る音響く
 わが庭に 向くが正面 山眠る
    今は廃れてしまった、わが生家には、池泉回遊式の庭があった。
    家の近くには、黄金山という山があって、その山は高からず
    低からず、また、遠からず近からずの絶妙の位置にあって、
    翼を広げた鳥のように、優雅に庭を包みこんでいた。
    庭の借景として申し分のない、この山と一体化した庭の景を、
    幼いころから見て育った私は、いつのころからか、
    それを私の美意識の中枢にすえて、
    ものの位を決める基準のひとつにするようになっていた。
    「この人は、美的に見て、この庭の景に勝るか、劣るか」という具合に…。
    そして、その結果、私はすっかり人間嫌いになってしまった。
 薄色に 故山は遠く 眠りゐて
    薄色は薄い紫色 (昔は色といえば紫のことだった)
 日を沈め 月を浮かべて 山眠る
 冬凪ぎて 闇に眠らぬ 波の音
 枯木にも 枝の賑はひ 朝日さす
 裸木や 空近きほど 枝細く
 裸木の 影に奥行 なかりけり
 川堰の 冬木が中の 死木白し
 青鈍の 男がひとり 冬木立
 枯木立 闇からまりて 闇に消ゆ
 枯木星 慧玄が這裏に 生死無し
 枯芙蓉 涙はすぐに 涸れ果つる
 水草枯る 水になじみて 抗はず
 蘆枯れて 水の流れも 細かりし
 枯はちす 退路断たれし 兵のごと
 枯はちす 死地をくぐりし やも知れず
 敗者にも 美学はありぬ 枯はちす
 枯葎 安住の地は 見つからず
 落葉朽つ 俳子死すとも 句は遺る
 荒星の 吹き残されて 天の座に
 冬空へ 鈴懸の実の 揺れやまず
 何よりも 独りが好きで 枯野好き
 荒野行く ここは枯野が 零番地
 地の果へ 句狂俳子が 枯野行く
 憂き我の 足が歩きて 枯野末
 どこまでも 枯野を歩く 土を踏む
 くだら野の 一草として 風を受く
 日に乾き 月に濡れたる 枯尾花
 窮しても ひとりじゃ死ねぬ 枯尾花
 命みな 土に還りて 枯野なる
 枯野踏む 我も大地が 屑と消ゆ

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