桜 (2)  *

        春…洒落たこと 言ふも野暮なり 花に鳥
          枝垂れ枝に 風のもつるる 糸桜

          ほろ酔ひの ころも片敷く 花が下
          花の下や 浮かれてダンス ダンスダンス

          養花天 なればちょびりと 般若湯
          我飲むは 天の美禄ぞ 養花天
          花浄土 雲の上より 光さす

          花茣蓙に 座れば城の 殿や姫
          花茣蓙や 京で飲むなら 女酒

          花筵 座せば親しき ともがらに
          ころはよし 花を肴に 歌おうぞ

          咲けばまた 浮かれて騒ぐ 桜馬鹿
          神々も宴か 花の雲が上

          我は酔ひ 犬はまろびて 花が下
          庭桜 退屈さうな 猫の貌

          せり出せば 花の小枝も 切られけり
          花咲かぬ 老いし桜や 切り倒す

          重き身を 椅子に投げ出す 花疲
          眼つむれば 花また花の 花疲

          何よりも 人に疲るる 花見かな
          花疲れ 眼裏までも 桜色


          吾子を 呼ぶ 声ぞやさしき 花曇
          花曇 ゆるりのろりと こども汽車
          うべなるかな 子は花よりも 観覧車

          育つ子を ともに見て来し 家桜
          老いし枝に 今ぞ盛りの 家桜

          出るもあり 帰るもありて 里桜
          人生の 節目節目に 里桜

          帰ろかな 花咲く里へ 帰ろかな
          満開の 桜の下の 独り言

          山鳩の 鳴き声遠し 花曇る
          花ぐもり 山の鴉が 鳴いてゐる

          須磨の辺や 都に遠き 花曇
          徒歩圏の 花をめぐりて 鬱深し

          曇る日の 花は物憂き 光ため
          花ぐもり 夢は悲しき 色をため

          君をれば すぐにぞ晴れむ 花曇
          花よりも 君が輝く 花曇

          天に躁 地に鬱みちて 桜騒
          徒歩圏の 花をめぐりて 鬱深し

          いい人を 演ずるに似て 花疲れ
          咲き満つを 疎むほどにや 花疲れ

          花冷の ひとの細肩 柳腰
          花冷に 出向きしことの 是非問はず

          君が身の どこに触れても 花の冷え
          西行の うしろの正面 花冷えて

          闇冷えてよりの 地の冷え 花の冷え
          花冷に 阿形吽形 仁王像
          花冷の 底ひに寝ねて 夢をみず

          花冷や 魔法瓶より 般若湯
          句敵と 花冷分かち 合ふことに


          遠来の 友去りてより 花の雨
          ぬかるみに 足をとられて 花の人

          相合の 傘もご縁か 花に雨
          歩をとめて 傘を傾ぐる 花の下

          花に雨 須磨の古刹を 潤して
          花に落つ 雨の雫の くれなゐに
          雨垂るる 枝垂桜の 枝が先

          見に行かな 雨に耐えたる 花万朶
          散りぬべき 時も知らねで 花盛る


          一山に 一寺一堂 花一樹
          さくら桜 サクラ櫻と 勢ぞろひ

          洞古く 皮一枚の 姥桜
          老いぬれば 咲くもかなはぬ 桜かな

          花や花 花に齢を 重ねきて
          老いはてて 花よ酒よと 狂ふがな

          友が座に 友の影あり 花筵
          花筵 円座のひとつ 空きしまま

          黙祷や そびらの花を 弔花とし
          骨壺の 音せぬやうに 桜東風

          咲き満たば 散るほかはなき 花なれば
          花の影 踏みこみゆかば 冥途まで

          咲き満つる 花にもありぬ 終の色
          生よりも 死に近くして 花の下

          亡きひとの 花の下にぞ 集ひける
          わが骨を埋めよ 名もなき花の下

          君が香や 息より軽き 花衣
          花や君 薄命嘆く ことなかれ

          さくらさくら 桜が咲けば 人狂ふ
          憂きときは 思ひおこせや 花の日々    俳子

            有馬温泉・湯けむり広場の枝垂桜

            花隈城址より神戸ポートタワーを望む

               王子動物園

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