木  下  闇   *

         夏…秘めやかに 命生まるる 五月闇
           五月闇 ただよふ虫の 妖蠱めき

           幾百の 羽虫蠢く 五月闇
           見れば見え 見ざれば見えず 五月闇
           五月闇 奥の院への 細き道


           ありがたや 峠が下の 木下闇
           下闇の 抜け穴のごと 沢一条

           下闇を 流るる水の 音清し
           下闇へ 水は流れて いきたがり

           下闇の 底ひに川の 薄明り
           下闇や 池の底ひの なほ暗く

           下闇の 鎮もりに座す 六地蔵
           月出でて 木の暗茂の 夜泣石

           浮かばれぬ 怨霊どもが 下闇に
           下闇の 風のうつろに 笛の音

           笛響け 敦盛塚の 夏蔭に
           下闇を 抜けて首なし 胴塚へ

           青と黄の 国旗を振れば みどりの夜 (ウクライナ戦争)
           霊叫ぶ カティンの森の 木下闇 (1940年 ポーランド)

           下闇や 有象無象の 蠢ける
           わらんべの 泣きて深まる 木下闇

           下闇や 底ひに霊の 蠢ける
           下闇や 悪霊黒き 血を流し

           ぬばたまの 黒髪匂ふ 五月闇
           下闇や 色重なれば 黒になる

           木下闇 ぬけて浮世の 闇が中   俳子



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