蜘    蛛  *

          夏…蜘蛛飛ぶや のるかそるかの 糸を引き
            蜘蛛の糸 ひと筋よぎる 月の前
            風にのり 蜘蛛は渡れり 糸引きつ

            蜘蛛健気 夜を徹して 囲を張れる
            蜘蛛の囲の 破れやすきは 繕ひて

            蜘蛛の囲に かかりて太る 雨雫
            蜘蛛の囲の 雨粒光る 朝まだき
            極楽の蜘蛛や 五色の糸を引き

            蜘蛛の囲を 棒で払ひて 獣道
            見上ぐれば 蜘蛛の囲空に 張るごとし

            蜘蛛の餌の 回し回され 糸捲かる
            蜘蛛の囲の 虫得てよりや 揺れやまず

            飛ぶ虫や 掛からば蜘蛛に 喰はしめて
            善し悪しは 問はずに蜘蛛の 餌捕り見る

            蜘蛛の囲に かかる虫なり 死なしめき
            罪とがは 虫にも蜘蛛の 囲にもなく

            逆しまに 生くるは哀し 女郎蜘蛛
            さかさまの 蜘蛛に逆光 逆さ風

            無慈悲にも 地獄に垂らす 蜘蛛の糸
            綾取りの ひもは一本 蜘蛛の糸
            蜘蛛の囲を 避けて払はず 寺の庭


            家蜘蛛や わが貌見ても 怖れざる
            家蜘蛛や 庵を乱さず 畳這ふ

            家蜘蛛は 学び熱心 書を這へり
            小さくも 蠅取蜘蛛の あるじ貌
            古き家や 家蜘蛛の道 あるやうな

            紐筒を 引きずり出せば 地蜘蛛の巣
            腹切るや 侍蜘蛛と 囃されて    俳子

                 コガネグモ



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