晩  秋 (2)   *

        秋…風立ちて 水波は立たず 秋闌くる
          君恋へば 影に色あり 秋闌くる
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          秋闌けて 日暮れの雨の さめざめと
          秋闌けて 一雨一度 一変化

          秋闌けて 禽獣虫魚 草木花
          秋闌けて 森羅万象 人十色

          秋闌けて 歌詠み人の 長吐息
          秋闌けて でるは溜息 ばかりかな

          秋闌けて 弦なき平家 琵琶が音
          秋闌けて 道化芝居の 末席に

          秋闌けて 子がまたひとり かくれんぼ
          秋闌けて 心にともす 蛍の火

          秋闌くる 木末あまねく 色づきて
          秋闌けて 裏六甲の 夕かげり


          コキュコキと 首鳴るこけし 秋惜しむ
          秋惜しむ ワイングラスを 傾けて

          一些事に 一喜一憂 秋逝けり
          老いらくや 秋去りゆくに 追ひつけず

          逝く秋に 時代遅れの 男唄
          逝く秋や いとしき名をば 風に書く

          逝く秋や 名のみが残る 平野殿 (兵庫区平野・堂仏)
          逝く秋や 過ぎゆくものは 影をひき

          遠きより 入相の鐘 秋逝けり
          逝く秋に 深みゆくもの みな無音

          逝く秋や 過ぎゆくものは 影をひき
          逝く秋の 影はわが手を すりぬけて

          逝く秋や 水子にうたふ 子守唄
          逝く秋の 風にあらがふ 蝶ひとつ

          秋逝くを かたみに思ふ 夕まぐれ
          おのが死を 見るはあたはず 秋ぞ逝く

          秋寂びて 嘘吐き人の なれが果て
          ごまかしの 過ぐれば滅ぶ 秋の末

          古き名の 湯山色づく 秋の果
          逝く秋に 両手でなづる 顎の髭

          どの鍵も あはぬ鍵穴 秋果てり
          ドア開く 鍵はいづこや 秋終る

          一病を もちて長らふ 秋の果
          草むすも 水漬くも定め 終の秋   俳子


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