団     栗  *

          秋…青どんぐり ちょつきり虫が 穴あける

            どんぐりや くぬぎこならに かしかしは
            どんぐりこ かきくけこけこ ころげおつ

            どんぐりこ なにぬねねんね ねんころり
            どんぐりこ ねんねんころり ねんころり

            どんぐりの ひとつ落ちてや ポンころろ
            どんぐりの 落ちてころころ 踏絵まで

            どんぐりを いじめて池の どぜう笑む
            どんぐりに 落しどころと いふがあり


            落石と 思へば椎の実 落つる音
            櫟の実や 音を違へて 椎の実も

            木の実降る 背山が森の 明るさへ
            里山の森に どんぐり時雨かな

            不意なるが楽し どんぐり森に落つ
            どんぐり落つ 前に後ろに 音立てて

            団栗や 実生木多き 原生林
            椎の実を 踏むほかはなき 山路かな

            どんぐりは 山神様の 贈り物
            椎の実の 多きなかより ひとつ採る

            椎の実を拾ふ ポケット一杯に
            骨太の 手より団栗 こぼれ落つ

            敵襲や どんぐり弾を あびて死す
            転びても 子はどんぐりを 手放さず

            父役の ゐないまま事 どんぐり飯
            まま事や どんぐり飯は 大盛りに

            膝ついて 渡すどんぐり 孫は姫
            好きな子に まんまるまるの どんぐりを
            どんぐりも お菓子も分けて 半分こ

            指先に どんぐり帽子 ふたつみつ
            どんぐりの もじゃもじゃ帽子 風に飛ぶ

            団栗を 吊せしのみの 首飾り
            団栗を 端の重りに 弥次郎兵衛

            樫の実や 森は今年も 豊かにて
            紙つぶて 中に椎の実 恋が文


            軸心を  直してかへす 木の実独楽
            よくまはる 団栗独楽の 相寄らず

            団栗の 独楽や衰ふ 前に死す
            唐突に 団栗独楽の 力尽く


            団栗を 拾へばすでに 根の生えて    俳子





                                       
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