案  山  子  *

           秋…シヤツターの 閉じし店先 案山子立つ
            街なかに あるが可笑しき 案山子かな

            ブランドの 服着る案山子 雀来る
            村一の イケメン案山子 雀来る

            別嬪さん 案山子小町か 楊貴妃か
            みな笑ふ 案山子にとまる 雀ゐて

            アイドル風 へのへのもへじ 案山子かな
            パッチワーク キルトファッション 案山子かな

            唇に 紅引く農婦 案山子かな
            眉太く 丸口デカき 爺案山子

            夜這ひせしあとか 案山子の頬被り
            真つ新の 服着せられて 案山子翁

            道問へば この道行けと 案山子指す
            動かざる レトロロボット 案山子立つ

            畦道に 見目麗しき 案山子衆
            案山子にも 美醜貴賎の ありにけり

            久延毘古は 山田のそほど 案山子立つ
            磔に されて笑顔の 案山子かな

            両の手を 広げて我も 案山子人
            襤褸を着て へなへなもへじ 案山子かな

            黄金なす 天上天下 案山子翁
            乾田を 護りてさびし 案山子翁

            痩せ案山子 さびしかろうと 雀来る
            雀来て 無音不動の 捨案山子

            里雨に 古着はりつく 捨案山子
            土臭し 畦に横たふ 捨案山子

            田の雨や 空向くままの 捨案山子
            無残やな 破れ案山子に 雨つぶて

            捨案山子 星なき夜も 天仰ぎ
            農閑の 田の面広しや 捨案山子

            田にひとつ 長き影ひく 捨案山子
            道聞かな 畦に影置く 捨案山子

            転び寝て 天を仰がば 捨案山子
            転びても へのへのもへじ 捨案山子
            茫漠の 空と遊べや 捨案山子

            労を謝し いたはるべきを 捨案山子
            大往生 倒れ案山子の 空青し

            落つる日に 影も棒立ち 案山子かな
            入日落つ 畦に傾ぶく 捨案山子    俳子





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