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          夏…夏めきて かづらはびこる 山野辺に

          秋…葛かづら 嵐の夜にも 蔓伸ばし
            這へば伸び 伸びれば更に 葛ぞ這ふ

            真葛原 風雨に耐へし 蔓の密
            葛かづら 地を這ふうちに 空にまで

            ひたすらの うるさきほどの 葛の蔓
            深根して 蔓は愚直に 真葛伸ぶ

            山道の 馬手も弓手も 真葛原
            真葛原 濡るれば青き 葉を重ね

            欲望と いふ名の蔓や 真葛原
            金剛の 腰で分け入る 葛が原

            葛あらし 海へと落つる 急崖に
            真葛原 道あるやうな なきやうな

            強き日の させば葛の葉 裏返る
            葛かづら 風には白き 裏葉見せ

            葛生えて 畑は野となり 山となる
            里過ぐる 風のたまり場 真くず原

            村古りて 裏葉をかへす 葛かづら
            寒村の 山の斜面に 葛垂るる
            葛の葉に 埋みて静か 峡の里

            いつよりか 淋しくなりぬ 葛が原
            そこここに 斑葉の混じる 葛となる


            葛引くや 遠き木立の 騒めける
            葛引くや 山の斜面を 騒がしめ

            葛引くや 蔓引き返す 山坊主
            葛引くや 大地もろとも 引き寄せて

            葛の蔓 刈りこむだけの 山手入れ   俳子


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