月 ( 2 )  *

         秋…名月も 近くに寄らば あばた面
           遠ければ あばたも美しき 望月に

           君遠し 同じ月見る その刹那
           満月の 華となりたし 兎跳ぶ

           名月の 誰にも見せぬ 裏の貌
           名月も をみなも持てり 裏の顔

           百人の凡夫も 百の月を詠む
           月白し 稽古不足の 能舞台

           賤が家も ひと夜をかけて 月めぐる
           億年の 月を重ねて けふの月
           たかが月 されど君ゐる けふの月

           徘徊す 雲ひとつなき 月明に
           月光を 失う人や 徘徊す

           さまよひつ 月の欠片を 拾ふとや
           月渡る 還らぬひとは かの国に

           肩車 月盗りたしと 吾子が泣く
           カープファン しゃもじひとつで 月を捕る

           月掬ふ ことは易しと 池の端に
           名月を 入るるに足れり 桶の水
           手の届く かたへにありて 水の月

           月明や 湖の水吞む 馬青し 東山魁夷
           馬青し 水面の月を 揺らし呑む

           月揺るる 水面こはるる 人の影
           古民家の 軒もる月や 影揺るる

           月光や 身の透くるまで 息深め
           月光に 座して動かぬ 影ひとつ

           月の座の 影見てわかる 俳諧師
           友なくば淋しよ 月の一本道

           母が上に 潮満ちをれば 月出づる
           望月の 潮のみちびき 妹が血も

           君は海 我はさざ波 月出づる
           満月や をみな心に 潮満つる

           舟を漕ぐ 海越えゆかば 月の道
           虚舟漕ぎて遥かや月の道

           胎内に 潮の満ちくる 月の夜
           月今宵 海にこぼれて 魚となる

           月上げて 池は真中に 月宿す
           わが心 動けば揺らぐ 水の月

           水満々 盥の月を 拝しけり
           望月や 盃にうつるを 呑みほさむ


           北斎の 波があげたる 今日の月
           夜の景の 数々あれど 今日の月

           眠らじな 名月清き 夜なれば
           四阿に 座して良夜の 影法師

            面差しも 語りも静か 月の客
           月うるむ 帰りなんいざ ふるさとへ

           口惜しや 乱雲月を 隠らしむ
           中天の 月に叢雲 あるを知る

           わが影の 我をはみだす 月明り
           満月へ わが変身の 猿哮る

           月渡る 還らぬひとは かの国に
           秋月や 世をば悲しぶ 想ひやや

           駱駝行く シルクロードの 月明り
           崑崙へ 月の砂漠を はるばると

           盃に しばし遊ばせ 月を呑む
           月に酒 移ろひやすき 世なりせば

           満月に 裏の顔あり あばた面
           北窓や 月は見えねど 闇光る

           庵の月 あるじ早々 ねまりをり
           ひとり寝の 夢に故山の 月明り

           携帯の 画面に届く 望の月
           後はまた 欠けるほかなき フルムーン

           須磨離宮 傘亭に 無月の夜 (須磨離宮公園)
           外に出でて 見るまでもなき 雨月の夜

           無月の夜 くるくる廻す 月球儀    俳子

   しあわせの村(温泉健康センター)の掲示板  しあわせの村保育園制作

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