月 ( 3 ) *

         秋…星青く 街の灯赤き 初月夜
           新月の 陰より見れば 青き星

           叶ふことなし 新月の願ひ事
           李白行く 月半輪の 峨眉山

           片割月 もう片方は 池の面に
           片割月 影六甲の 頂に

           夕月や 女は目色で 勝負する (神戸旧居留地)
           夕月夜 たばねて恋の ほつれ髪

           待つ宵の 月は都の 方に出て
           小望月 あすは良きこと あるやうな

           十五夜の 月より雲の 細流れ
           雲厚し ほんに今夜は 十五夜か
           十五夜や 大陰暦の 時きざみ

           ビヨロンの 音や十六夜の 月出でぬ
           足音で 君と知れたる 十六夜

           山里や 十六夜見るも 木の間越し
           十六夜や 闇間に白き 竹の幹

           いざよひの 月よ星よと 須磨が浜
           いざよひや 池をめぐりて ひとを見ず

           十六夜の 遊女惚れてや 稲瀬川
           いざよひの 月にさらせり 京みやび

           いざよひや 過ぎて味おう 香のありて
           泪せり ああいざよひの 月しづく

           のつと出て 山端離るる 十七夜
           立待や 外出の身にも 湯の名残

           立待の 月にはあれど 雲が中
           外に出でて 待ちくたぶるや 居待月

           更待に 酔歩夢遊の 俳諧師
           更待に 細りゆく身を 嘆こうぞ
           月面の 痘痕がめだつ 二十日月

           昼月や そこはかとなく 淋しとき
           蒼天に 白く透けたる 昼の月

           月遅れ ふた夜前とや 十三夜
           片見月 避けてぞ今宵 十三夜

           十三夜 京に暮らすを 懐かしむ (現光寺)
           風吹かば 水面砕くる 後の月 (須磨寺公園)

           いにしへに 思ひはせたる 十三夜 (須磨離宮公園)
           添ひびとの 声やはらかき 十三夜

           京に見し 名残の月を 眼裏に
           十三夜 栄華きはめし ひとの香に

           横顔に 母の面影 十三夜
           姥月や 逢瀬がための 夜を残す

           十三夜 遅れ着きたる 月の使者
           十三夜 後ろ姿が 遠ざかる

           わが影と ふたりして行く 十三夜
           君添へば 四つの影行く 十三夜

           十三夜 ひと月前の 夜には似ず
           良夜発 幸福行きの 夢切符

           吾の寄れば 月の遠のく 十三夜
           十三夜 遅れしあとの 残り福

           前言を ひるがへしてや 後の月
           もたいなや 西端に傾ぐ 後の月

           月渡る 一夜一夜に 名を変へて
           望月の あとや夜毎に 月細る

           移ろひて ひと夜ひと夜に 月細る
           月細し 摩耶の天狗が 空を飛ぶ

           老残の ことは知らずよ 月細し
           移ろふや 月は細りて 影もなし

           須磨の辺や 丸くなくとも 秋の月
           よござんす 夜明けの空に 残る月

           月冷や 播磨の灘に 波立たず    俳子

         埼玉県越谷市・夜の月
  無料 風景・写真 素材/AMI Lab.(あみラボ)様よりお借りしました

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