石    榴  *

          秋…ざくろ裂く おのが重さに たへかねて
            胸奥に たぎる怨情 ざくろ裂く

            ボクサーの死闘 ざくろ 熟れすぎて
            ざくろ裂く 機の熟すれば おのづから

            抱擁の刹那や ざくろの実割るる
            逢魔どき 実ざくろ裂けて 紅走る

            狂ひ女が 笑ふやうにや 石榴爆ず
            石榴爆ず 百鬼の嗤ひ 漏るるがに
            毬割れてより 実石榴の奇ぞ深む

            口裂けて 魔女は石榴の 実をこぼす
            空爆や 木端微塵の 石榴の実

            実ざくろの 一粒ごとの エゴイズム
            石榴裂く こころの傷も かくのごと

            実ざくろや 口は裂けても もの言はず
            石榴裂く 誰が胸貸す 情け貸す

            青春の狂気 ざくろの実爆ずる
            実ざくろや 古傷なむる 家の猫

            血となれ 肉となれとや 石榴食ぶ
            大根に あへて石榴の うすくれなゐ   俳子








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