暖    炉  *

           冬…火の奥に 榾燃えいでて 炎なす
             榾燃えて 火炎あやしき 真夜うたげ

             榾の火の ときをり高く 燃えさかる
             暖炉燃ゆ 人恋歌を 聞く夜深

             火照る頬 燃ゆる唇 暖炉燃ゆ
             肩抱きて 酌めや唄へや 暖炉の夜

             火にぬれて こぼるる思ひ 暖炉燃ゆ
             音たてて 燃えよ暖炉よ 恋の火よ

             暖炉燃ゆ 見つむるひとの なほ熱く
             情の火か 業のほむらか 榾炉燃ゆ

             炉火猛る 火の色動く 一刹那
             榾爆ずる 火の神々も 恋をして

             暖炉燃ゆ un deux troisで 踊りませう
             暖炉燃ゆ 壁には踊る 影法師

             木の霊の いのち儚し 榾炉燃ゆ
             榾炉燃ゆ 闇に見入れば 幻火炎

             榾炉燃ゆ 左耳より右耳に 抜くる嘘
             榾炉燃ゆ 汝が胸奥の 傷ほてる

             榾を足す 消えいりさうな 命にも
             榾火果つ 身を焼くほどの 恋あるや


             熱き息 かけて埋火 燃えたたす
             埋火の 消えなんとして 燃えさかる
             わが胸に 埋もるる火あり 消さでおく

             埋火よ 消すに消せざる 胸の火よ
             洞あけて 榾の残り火 燃えたたす

             埋火や 終のいのち火 秘めもして
             埋火や いのち火しばし 燃えたたせ

             埋火の 潰えて白き 灰が屑
             埋火の 尽きて浮きたる 灰が屑
             埋火の 尽きて残りし 灰軽ろし


             囲炉裡火や 四方山話 もりあがる
             炉火赤し くすぶり続く 小諍ひ
             炉火赤し 壁に届かぬ 影法師

             赤炎の 青炎と化す 冬炉かな
             炉がらりや 木尻に座る わらしゐて

           春…なきにしも あらずが話 春暖炉
             春炉燃ゆ 吐息ひとつを もらすとき

             煙突に 煙りが少し 春暖炉

           夏…夏炉燃ゆ 里にのこりし 悲恋悲話    俳子

            旧ハンター氏邸応接室の暖炉

             萌黄の館応接室の暖炉

            旧乾邸 ゲストルームの暖炉

                 だるまストーブ

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