冬 帽 子 * 冬…凩に 抗して行きし 深帽子 慾はなく 賢治気取りの 冬帽子 風強し 口をへの字の 冬帽子 悪相を 隠すに足れる 冬帽子 皿型も 血型もありて 冬帽子 冬帽子 とりて探偵 頭掻く ぬばたまの 髪余らせて 冬帽子 巻き癖の 髪余らせて 冬帽子 湯上りの 頭隠しの 冬帽子 気短かな 祖父が好みし 冬帽子 ナフタリン匂ひて 祖父の冬帽子 一月の 頭になじむ 古帽子 懐かしや 父の冬帽 羽根飾り 冬帽を 脱ぎても寡黙 なるままに 韋駄天や 癖毛はみだす 冬帽子 冬帽を 脱ぎても怒髪 天衝かず マネキンの 顔の隠るる 冬帽子 冬帽を 脱ぎても素顔 そこになく 冬帽を 右に傾げて 老紳士 洋館の 街にしつくり 冬帽子 冬帽子うかせて 老いの遠会釈 影と来て 黙して去りぬ 冬帽子 人混みに まぎれて去りぬ 冬帽子 ジッポーの ライター似合ふ 冬帽子 冬帽を脱ぎ 欲望を解き放つ 俳子 |
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