冬 銀 河  *

         冬…暮早し 一番星の はや見えて
           目の中の 水晶玉に 冬銀河

           ビル街の 十字の空や 冬銀河
           冬銀河 星見るよりも 闇を見て

           神すらも 空に磔 冬星座
           光星の ほかは暗黒 冬銀河

           光年の 時空を超えて 冬銀河
           遠く来て 不動の光 冬銀河

           空駆くる 汽車で行きたや 冬銀河
           荒星へ 銀河鉄道 999

           夜闇の 無音のかなた 冬銀河
           天穹を 引きてや撃たん 冬銀河

           冬銀河 もつとも近き 星はどれ
           冬銀河 遠くて見えぬ 星あまた

           別るるに 言葉はいらじ 冬銀河
           歳晩の 虚空に消ゆる 星の芒

           冬銀河 ゐなか銀座の 灯の消えて
           裏窓の 灯りがひとつ 冬銀河

           弱きもの みな滅びゆく 冬銀河
           銀河凍つ 天体地図の ひび割れて

           全能の 神の口より 冬銀河
           極北の 空を廻して 寒北斗
           玄冬の 大三角の ゆるぎなし
           天辺に 寒星ひとつ 触れがたく

           寒昴 幸ならざれば 孝ならず
           寒昴 徳は孤ならず 隣あり

           孤高とは さびしきものよ 寒昴
           寒昴 仰ぎておのが 小を知る
           生き耐へて 反る身悲しや 寒昴

           山中の 闇は怖しよ 星凍つる
           凍空に 星屑少し あるばかり

           遠きより 遠き彼方へ 寒銀河
           寒夜にも 輝く闇の あれぞかし    俳子

          しあわせの村・研修館の展示品

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