冬 紅 葉 * 冬…急坂を 登りつむれば 冬紅葉 寺跡に 遺る山門 冬紅葉 濃きは散り 薄きは褪せて 冬紅葉 剥落の 景に遅れて 冬紅葉 冬紅葉 うしろの闇を 際立たせ うす色の 冬の紅葉の 峡が里 冬紅葉 日に透きをれば 金色に ゆるびなき 彩をとどめて 冬紅葉 冬紅葉 きのふの夢は 甘かりし 六甲の 夕日を足して 冬紅葉 谷筋の にはかに暮れて 冬紅葉 水影に 揺れつ彩なす 冬紅葉 晩節を 飾るひとつに 冬紅葉 逆光の中にや 冬の紅葉燃ゆ 綾なすも淋し 斜光の冬紅葉 冬もみぢ 門扉をとざす 洋館に 入日さす 冬の紅葉の うしろ闇 冬紅葉 色に残り香 あるやうな 滅びゆく ものが残照 冬紅葉 死に頃と 思ふ刹那も 冬紅葉 華やかな 色失せねれど 冬紅葉 冬紅葉 うゐのおくやま かがやかす 散ることに 華やぎありて 冬紅葉 深紅葉 いろはにほへと ちりぬるを 散らざれば 照り日はぬくし 冬紅葉 余りにも 軽ろく虚空を 散紅葉 冬紅葉 散るとき見ゆる 人の裏 散り急ぐ 雑木紅葉が 風を呼ぶ 深々と 色を重ねて 散る紅葉 一水の 迅きに一葉 冬紅葉 蹲踞に 紅葉散り落つ 五六葉 蹲踞に 水漬く落葉の ままにして 散紅葉 追ひてや友の 散りゆける 散紅葉 乾びてちぢみて 色褪せて 散紅葉ためて 水なき手水鉢 散紅葉 須磨の古刹の 暮れなづむ 俳子 |
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