冬  の  蝶  *

         冬…低く飛び 野にひそみてや 冬の蝶
           冬の日に 蝶はゆるりと 翅ひろげ

           冬蝶の 日当る方へ にじり寄る
           冬の蝶 傷つきやすき 翅ひろげ
           冬の日を 翅にたたみて 蝶飛べり


           死ぬ死ぬと 云ひてわが家の 冬の蝶
           生きてあれ 伏して動かぬ 冬の蝶

           陽だまりの 小春の蝶の 翅薄し
           飛び病みて 閉づる薄羽 冬の蝶

           冬蝶や 息を殺して 生くるかの
           冬蝶に 隠せぬ死相 ありにけり

           冬蝶の 白き鱗粉 死化粧
           閼伽水を 舐めて冬蝶 飛びたてず

           死に際を ひと光りして 冬の蝶
           冬蝶の 気息奄々 息絶ゆる
           死にゆける 形がままの 冬の蝶


           日溜りに 羽を広げて 凍てし蝶
           凍蝶に とどく日差しの 頼りなく

           息をつぐ 間もなく凍てぬ 手負ひ蝶
           凍蝶の 破れし翅を 風が刺す

           凍蝶に 息を合はせて 我祈る
           凍蝶を 見つむる我も 身の凍てて

           凍蝶は動かず 薄き日に痴れて
           羽凍てし 蝶はいづこに 休むやら

           凍蝶の 生死を分かつ 一刹那
           凍蝶の 動かざるまま こときれて    俳子

             冬菊にとまるベニシジミチョウ

              冬菊にとまるジャノメチョウ

             枯葉の上で休むキタテハ

              死にかけの冬の蝶

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