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          冬…冬めきて 緑やさしき モスライト
            落胆の 胸の奥まで 冬ぞ来ぬ

            まなうらに 山河ありけり 瀬戸の冬
            冬湯治 柔肌なじむ 湯湧の湯

            鼻あげて 高鳴く牛や 牧の冬
            開墾の 畑を捨てたる 農の冬

            冬ざれて 大樹が幹の 力瘤
            荒野にも 音はありしか 冬ざるる

            冬酒場 腕に錨の 刺青の
            ライターに ぽつと火のつく 冬酒場

            犬もまた 足より老いね 冬散歩
            老いゆくや 冬の夕日の 沈む丘

            冬地震や あの日あの時 この場所で
            冬地震に 身も世もなしに 泣きしひと

            貝の冬 地層に残る 地震の跡
            寒朝や 地震の記憶の ひび割るる

            ひとりでは死ねぬか 冬の情死行
            笑うてと 言はれて冬の 顔歪む
            去りゆくは とはに帰らず 須磨は冬

            漆黒の 空が蓋する 里の冬
            冬深し 露西亜紅茶に 蜜の味

            逢ひたくて 冬の裏道 小走りに
            マドラーで 均すカクテル 冬ぬくし

            冬の家に 肩寄せ合へり 闇なごむ
            日あたりて 結び目かたき 冬を解く    俳子

              初冬のしあわせの村

             しあわせの村・日本庭園

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