枯 尾 花  *

         冬…蕭蕭と 風がふちどる 枯尾花
           枯尾花 風のつのるに まかせつつ

           山峡の 風に痩せたる 枯尾花
           枯尾花 わけてぞ入りぬ 大原野

           背かれて 背きかへして 枯尾花
           枯尾花 風に激しく あらがひつ

           日に黄金(こがね) 月にしろがね 枯尾花
           日に乾き 月に濡れたる 枯尾花

           死にぎはの 光こんじき 枯尾花
           窮しても ひとりじゃ死ねぬ 枯尾花

           手折らむと すれば抗ふ 枯芒
           枯れてなほ 空に突き立つ 芒かな

           南へと 傾ぐ風ぐせ 枯尾花
           風の意に 従ふごとく 枯尾花

           蕭蕭の 風に古りゆく 枯尾花
           野を撫づる 風が磨きし 枯尾花

           軽々と 吹かれて飛ばず 枯尾花
           枯尾花 月も欠けたる 仮設跡

           鬼芒 枯れて寄せ墓 無縁墓
           枯尾花 あの世の風に 靡くかに

           七曜の 区別なき身や 枯尾花
           涙もろく なれば老い人 枯尾花
           枯尾花 三文あれば 死出の旅

           言ひたきは 数多あれども 枯芒
           枯すすき 俳子おのづと 足るを知る

           終に行く 道は細きか 枯尾花
           憤死てふ 最期もあるか 枯尾花

           冥府へと 我となびくか 枯尾花
           一茎の 風になびかず 枯尾花    俳子

                  しあわせの村

                森林植物園

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