枯   木  *

        冬…枯木にも 枝の賑はひ 朝日さす
          裸木や 空近きほど 枝細く
          あつぱれな 枝はる枯木 梢(うれ)さびし

          枯木立 闇絡まりて 闇に消ゆ
          枯木星 慧玄が這裏に 生死無

          はぐれ星ひとつ 枯木が網の中
          枯枝の 網目にかかる 星あまた

          月ひとつ 隠すすべなき 枯木立
          枯木立 小枝の網に 月を掛け

          天と地を つなぐ枯木に 星ひとつ
          枯木星 風がさらひて 雲が中

          枯木には 白き筋ひく 風の音
          冬木芽に 逆立つ風の 白き筋

          裸木や 風のつかまる ところなき
          裸木に 風がもつれて しのび哭く

          裸木や 白き筋ひく 風の棲む
          裸木の 影に奥行 なかりけり

          空うがつかに 裸木のそそり立つ
          空に張る ひげ根めきたる 冬木立

          稜線に 裸木あらは 月出づる
          裸木や 断捨離ここに 極まれる   俳子


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