新    春  *

          新年…淑気満つ 流るる水も ゆく雲も
             初水の 平らかなるに 触れもして

             三身山 千古の森に 淑気満つ
             鳥雀も 瑞を乱さず 明の春

             世に生きて 世に生かされて 老の春
             わが身にも 身の丈ほどの 明の春

             老の春 めざせ生涯 一万句
             老が春 言葉自在に 憧れて

             明の春 既存を超ゆる 高みへと
             夢ひとつ 追ひ続けてや 老の春

             老の春 親を看取らず 子と住まず
             ひとつ老い また新しき 年迎ふ

             恵方道 曲りつ消えつ ぬかるみつ
             行く道が われが行く道 恵方道

             初夢に 大阪の夢 京の夢
             初夢に 色のありなば 淡黄蘗(うすきはだ)

             獏を追ふ わが初夢を 獏が喰ひ
             夢なれど 底抜くごとき 初笑

             初夢を 喰らふ獏ゐて 悪目覚め
             初寝覚 極上発句 忘れ来し

             初寝覚 夢は見るもの 捨つるもの
             元朝や 覚めれば尿る 定めにて

             道あらば 決起直行 明の春
             道なくば 敢為邁往 おらが春


             初湯して 今太閤の 夢心地
             太閤を 気取りて初湯 溢れしむ

             鶴のごと 有馬赤湯の 初湯浴み
             太閤の 湯殿にぬらす 年の花

             かけがへの なき人ばかり 屠蘇祝ふ
             下戸なれど 常の顔して 屠蘇祝ふ

             年酒酌む 尻むずかゆき 家長の座
             正月や 明石の鯛に 灘の酒

             初春や 空けてめでたき 小盃
             海山の 幸ふんだんに 正月膳

             初鏡 無頼の顔も 老い果てて
             我を見る 意固地老人 初鏡

             福相と いへば福相 初鏡
             見飽きたる わが顔なれど 初鏡

             ぐだぐだの年 ぐだぐだの寝正月
             天上天下 唯我独尊 初欠伸

             太箸の ころがる前や 初笑
             皺深き 顔をゆがめて 初笑

             笑まひつつ 孫らと遊ぶ お正月
             笑ひ神 上座にすゑて 家の春

             しつらひの 極としての 松飾
             なになくも なにはともあれ お正月

             背比べて 孫に負けたる 年始
             集ひきて 心置きなき 二日かな

             久に会ふ 顔みな笑まふ 二日かな
             佇てば弓 座れば粗茶の 三日かな

             早も早 三日の心 折れやすし
             食べて寝て 呑んでは寝ねて 三ガ日

             初登山 前山背山 端山へ
             走り初め 町の果にも 行きつけず

             新春も 百年経たば 百年前   俳子

              ホテルオークラ神戸の正月飾り

                 お正月料理

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