雪 ( 1 ) * 冬…天と地の あはひ遥かに 冬木立 (北海道・十勝 音更町) 黒一点 雪の大樹は 骸めき いづこにも 瑕疵なきごとく 雪一枚 いづこにも 影を許さず 大雪原 どこまでも 続く雪原 天暗し 雪原の どこも動かず 空無音 雪原の 白が閉じこむ 無音界 千畳の雪 万丈の雪しじま 天空も 大地もまろき 雪が原 昼は日を 夜は月あぐ 大雪原 月光に 浮かびて蒼し 雪の窪 人ゐても 点にもならず 雪が原 閑さや 雪に吸はるる 人の声 雪暮れて 蒼き影ひく 北の果て 雪静か ここは地の涯 北の涯 雪原に死地あり 月に合掌す 祈りすら 届かぬ果ての 雪浄土 不浄忌む 念押すやうに 雪に雪 影あをく 光こんじき 雪の朝 雪積むる 白極まりて 陰青し 積む雪の 青き光を 踏みにけり 逢ふために 大雪原を 漕ぎて来る 雪闇や 袂に小さき 燐寸の火 雪浄土 とむらうし山 けふ越えず (トムラウシ山) 降る雪や 暗き底もつ 北運河 (小樽運河) べと雪の 吸はれて消ゆる 運河闇 地吹雪は 冥府よりかや 渦なせる (中山峠) 空を来て 大地を伝ふ 雪しまき (長万部) 北国の 景をはがして 雪しまく 大地より 湧き立つごとく 吹雪きけり カーナビの 指示するままに 雪の道 新山の ふぶきて雪の 積もらざる (昭和新山) 踏み込むを 拒みて清き 牧の雪 (ノーザンホースパーク) 雪原や 足跡あれば そこが道 降る雪や 老ゆれど今も 北めざす (函館) 百年の 昔も今も 雪が降る (飛騨白川郷) 降る雪や 空がしんしん 泪して 天虚より 雪華無限の ごと降りぬ 合掌の 茅葺屋根に 雪積むる 柔らかに 音なく積もる 飛騨の雪 雪暮に 未練がましき 空明かり 雪暗の 底ひが山家 赤子泣く 雪の夜や 昔話を ふたつみつ 埋火や 深雪に眠る 峡が里 伝へてよ 平野が原に 雪降ると (兵庫区雪御所町) 夢が跡 雪見御所には 雪積まず 降る雪や 話さば長き 物語 落ちくるは 天の泪か 雪散れり 闇に降り 闇に積もりて 雪止めり 清盛の 雪見の御所と なりにけり もののふの 栄華盛衰 雪深し 降る雪や 大仏さまの 我慢顔 雪降るや 戯れに着る 死衣装 山里に まだき雪降る 夜となる (六甲山) 里は雨 山は初雪 薄化粧 六甲の 表は霙 裏は雪 雪山に 傷あるごとく 道一条 街燈の あかり円錐 雪激し (有馬温泉) 雪積むをこばみて 有馬七泉源 湯煙の あがりて雪の 青明かり 紫の 影透き通る 深雪かな 山を越え 海に落ちゆく 須磨の雪 (須磨浦公園) 雪激し 積もることなく 海に消え 海よりも 山の明るき 雪景色 海暗し 雪は下より 吹きあぐる (垂水) 海峡の 底より吹雪く 舞子坂 垂水には 吹雪く海峡 をとこ波 俳子 |
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北海道・十勝 音更町の雪景色 |
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洞爺湖の雪景色 |
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冬季でも雪が積もらない昭和新山 |
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飛騨白川郷・合掌造り民家園 |
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