歌 舞 伎 俳 句 * |
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歌舞伎座の 壽初春 大歌舞伎 中八字余り句 |
見上ぐるは どこの御寮か 初歌舞伎 |
打ち出でて 曽我の対面 初芝居 『寿曽我対面』 |
魂抜けの 紙屋治兵衛の 頬被 『心中天網島~河庄・紙屋内』 |
忠兵衛の 人目をつつむ 頬被 『冥途の飛脚』 |
鍔迫りの 血潮の滝の 凍りけり 『近江源氏先陣館―盛綱陣屋―』 |
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如月の 十日の月に 都落つ 『勧進帳』 |
春雨に 濡れて清玄 桜姫 『桜姫東文章』 |
奈落より 芽牡丹のごと 血みどろ手 |
手に花や お染久松 七変はり 『於染久松色読販』 |
助六や 江戸に花あり 男あり 『助六由縁江戸桜』 |
花魁の 魂奪はるや 花の道 『籠釣瓶花街酔醒』 |
落ちゆくは お軽勘平 花が下 『道行旅路花聟』 |
花の枝 手折りて流す 吉野川 『妹背山婦女庭訓』 |
花惜しむ 愛し子を捨て 世も捨てて 『一谷嫩軍記~熊谷陣屋』 |
藤の精 舞ふがごとくに 藤娘 『哥へす哥へす余波大津絵』 |
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吹き降りの 五月雨暗し 咎の身に 『与話情浮名横櫛』 |
阿古屋ひく 琴三味胡弓 音涼し 『壇浦兜軍記~阿古屋』 |
皿一枚 割れて番町 夏屋敷 『番町皿屋敷』 |
名刀の 血が血を呼びて 夏の夜 『伊勢音頭恋寝刃』 |
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引窓に 月の明かりや 長五郎 『双蝶々曲輪日記』 |
十六夜の 遊女惚れてや 稲瀬川 『花街模様薊色縫~十六夜清心』 |
濡れ鹿の 妻恋ひをれば 三笠山 『妹背山婦女庭訓』 |
貰ひたる 御捻り投ぐる 村歌舞伎 神戸すずらん歌舞伎 |
見得切るや 弁天小僧 菊人形 『青砥稿花紅彩画』 |
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死にぎはの 光こんじき 枯尾花 『曽根崎心中』 |
貝殺し 油地獄の 牡蠣フライ 『女殺油地獄』 |
年越の 金も命にゃ 替へられず 『人情噺文七元結』 |